食品工場、食品加工場における一般衛生管理とは?
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JHTC HACCP上級コーディネーター / MBA
- 鈴木 戒
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食品工場、食品加工場では、食品安全に対するリスクを最小限におさえるために、一般衛生管理が求められます。一般衛生管理は、ハードウェアである工場の立地から施設のインフラや道具、機器などの維持管理、ソフトウェアの清掃と消毒のオペレーション、従業員教育などを含みます。
一般衛生管理とは?
一般衛生管理は、食品の生産・加工・販売において、病原体や有害物質の侵入を防止し、食品安全を生産するための多岐にわたる基礎的な衛生管理項目です。
一次生産の管理、施設の設計(デザイン)および設備、オペレーション・コントロール・施設のメンテナンスおよびサニテーション、従業員の衛生、輸送、製品情報および消費者意識、トレーニングがなどが含まれます(コーデックス食品衛生規範に則ります)。
HACCPシステムとは?
HACCP(ハサップ、Hazard Analysis and Critical Control Points)システムは、食品安全を脅かす危害要因(危険性)を分析し、それらを最小限に抑えるための必須な管理点を特定し、継続的に記録による監視・評価することで、食品安全を確保するためのシステムです。
HACCPシステムは主に7つのステップから成り立ちます。
- 危害要因の分析|食品生産・加工・販売において、発生する可能性のある生物的、化学的、物理的な危害要因(病原体や有害物質、異物混入など)を分析します。
- 必須な管理点の特定|危険性を最小限に抑えるための必須な管理点を特定します。
- 管理点における基準の設定|制御点において達成すべき許容限界基準を設定します。
- 管理点の監視|管理点において許容限界基準の逸脱を監視します。
- 不適合が発生した場合の対応|逸脱が発生した場合には、廃棄・リコール・リワークなどの適切な対応を行います。
- 記録・記載・報告|HACCPに関する記録、記載、報告を行います。
- HACCPシステムの改善|HACCPシステムを常に改善し、更新し続けます。
食品工場や食品加工場がHACCP認証を得るメリットは?
食品工場、食品加工場を経営する企業にとって、HACCPの認証を得るメリットは多岐にわたります。主なメリットは以下の通りです。
1. 食品安全性の向上
HACCPシステムは食品生産・加工・販売において、病原体や有害物質の侵入を防止し、食品安全を確保します。
2. 顧客信頼の増大
HACCPの認証を得た企業は、顧客にとって信頼できる食品を提供できることが評判になり、顧客からの信頼が高まります。
3.市場競争力の向上
HACCPに適応した企業は、顧客に信頼されることで市場競争力を高め、新しい市場開拓や需要の増加などの可能性があります。
4.法律・規制の遵守
HACCPは食品安全基準の一つであり、認証によって、国内外の法律や規制に準拠することができます。
5.輸出拡大の機会
HACCP認証を得た企業は、輸出相手国の食品安全基準を満たしているため、輸出市場への参入が容易になります。
6.継続的な改善
HACCPシステムは常に改善し、更新し続けることが求められるため、企業は常に最新の食品安全に関する知識を得ることができ、業務の改善に努めることができます。
自社がHACCPに適応できているかを確認する方法は?
自社がHACCP認証に適応できているかを確認するには、専門家による事前審査やフィードバックを受けることが有効です。専門のコンサルでは、自社のHACCPシステムが適切に運用されているか、法律や規制に準拠しているかなどを確認します。
国際的なHACCPシステムに適応するために取り組むべきこととは?
これから自社がHACCP認証を得るためには、まずは専門知識を持ったHACCPアドバイザー・コンサルティングの専門家に相談することが重要です。専門家が提供するトレーニングやコンサルティングを受けることで、適切なHACCPシステムの運用方法を学ぶことができます。
また、現在の工場建築から20~30年が経過している場合は、設備や建物の老朽化が原因でHACCPシステムの運用が困難になっている場合があります。このような場合には、適切なリフォームや改築を行うことで、HACCPシステムの運用を円滑に行うことができるようになります。
特に、清掃や消毒に必要な設備や環境の整備、生産ラインの見直し、労働者の健康管理などが重要です。HACCPにおける汚染区、準清潔区、清潔区の区分と重要性を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
HACCPシステムの運用は常に改善し、更新し続けることが大切です。
まとめ
食品工場、食品加工場においては、一般衛生管理やHACCPシステムの適用が求められています。HACCPシステムの適用には専門知識を持ったHACCPアドバイザーへの相談、継続的な監視・評価・改善が重要です。
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JHTC HACCP上級コーディネーター / MBA
- 鈴木 戒
2020年からSAWAMURAの食品工場プロジェクトに参画。2022年から正式入社し同職に。食品工場建築と資産活用で多くの実績を持つプロフェッショナル。
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