汚染区、準清潔区、清潔区とは?HACCPにおける重要性についても解説

汚染区、準清潔区、清潔区とは?HACCPにおける重要性についても解説

汚染区、準清潔区、清潔区とは何か?

汚染区、準清潔区、清潔区は、食品製造ラインにおける衛生管理のレベルを示す区分です。

これら区分は、製造過程における「人」「モノ(原料・製品)」「水」「空気」などの動線の交差(交差汚染)による製品の汚染を防ぐことを目的としています。

 

区分は運用方法(ソフト)で動線を制限する方法と、建物・設備(ハード)で物理的に動線を制限する方法があります。

HACCPにおける汚染区、準清潔区、清潔区の区分と重要性

HACCPの運用においては、食品製造施設内を食品汚染リスクの頻度と重篤さの度合いに応じて区分し、それぞれの区域について動線と適切な衛生管理の基準を設ける必要があります。

HACCPについての基本的な情報はこちらの記事もご覧ください。

 

HACCP対応の食品工場では以下のように区分されるケースがあります。

汚染区域

食品製造ラインでは一番汚染度高い「モノの移動」や「作業」が行われるため清潔度は低いエリア。荷受け室・出荷室・梱包室・資材庫・原料保管庫・下処理室・容器洗浄室など、直接的に加工が行われないエリアに区分されるケースが多くあります。

準清潔区域

直接的な加工処理が行われるため清潔区域の次に清潔度の高いエリア。調味室、加熱室、仕掛品保管庫など、清潔区域に作業が移行する前工程までに区分されるケースが多いです。

清潔区域

食品製造ラインにおいて一番清潔度が高いエリアです。製造工程での加熱などで危害が管理された後の冷却作業、製品包装や充填などを行う包装室など、「消費者」や「取引先」へ出荷される最終段階に区分されるケースが多いです。

 

仮に清潔区で食品が汚染されると、危害の管理工程が少なく、消費者に重大な危害を与える可能性が高くなるので、高い清潔度が求められます。

サニタリー(入室準備室)

衛生管理のレベルの区分エリアの入退出に関与するサニタリー室があり、従業員が作業着の埃の除去や、手洗い・消毒など実施します。文字通り汚染区、準清潔区、清潔区へ入室の準備をする区域です。

これらの各区域における衛生管理基準を定めることで交差汚染を防ぎ、食品安全を守ることになります。

衛生区分の管理が不十分であると、さまざまなリスクが発生します。例えば汚染区で作業したスタッフが同じ作業着や手洗いをせずに清潔区で食品加工や保存を行うと、食品中に有害な微生物が付着・繁殖し、食中毒や健康被害を引き起こす可能性があります。

 

また、同様に異物混入による、健康被害・品質の低下リスクも高まります。そのため、汚染区、準清潔区、清潔区の区分けに基づいた適切な衛生管理が重要です。

HACCPは国際的に認められた食品安全管理システムであり、欧州連合(EU)やアメリカ合衆国、世界各国で制度化されている場合があり、日本では2021年に制度化されました。

 

衛生管理基準を適切に設けず、食品製造施設での衛生上の問題が発生した場合、HACCPに基づく検査や監査で不適合と判断され、取引先からの取引停止など事業の継続が困難になるなど、深刻な経済的な損失を引き起こす可能性があります。

衛生区分に効果的な施設・設備

衛生区分に効果的な施設や設備には、以下のようなものがあります。前提として、衛生区分は必ずしも壁や扉などの物理的に遮断の必要はなく、交差汚染リスクの頻度や重篤度や作業手順、衛生管理上の運用方法において、物理的な区分が効果的と判断された場合に設置します。ここでは一例を挙げます。

ドアによる交差汚染防止

衛生区分間の人やモノの交差汚染を防ぐため、入室用ドアと退出用ドアを明確に分け、物理的に制限します。入室側の自動ドアは感知させ、出口側のドアは感知させない一方通行にすることで、物理的に交差汚染を防止します。

 

運用においても、物理的な制限とともに、一方通行の標識などで可視化により従業員教育や管理ができる仕組みづくりが簡単になります。

床の色を変える

衛生区分ごとに床の色を変えることは有効です。

 

区分に壁を設けると作業手順上、不具合や不効率になるケースがあります。

その場合は運用方法と従業員教育が重要であり、施設においては床の色を変え、衛生区分を可視化することで、交差汚染の防止効果アップが期待できます。

 

靴や作業着の色を変えるなど有効的ですが、あくまでも教育が伴わないと「衛生区分の範囲」がわかりにくく、過失などで交差汚染のリスクが高まりますので、視覚的な工夫が効果的といえます。

まとめ

汚染区、準清潔区、清潔区は、食品製造業や食品加工業において、生産ライン上での衛生管理が重要です。本記事を通じて、汚染区、準清潔区、清潔区それぞれの定義や衛生管理の必要性について理解していただけたことと思います。

 

自社においても、汚染区、準清潔区、清潔区が明確にゾーニングされているかを今一度調査し、必要に応じて改善を行うことが、安全で高品質な製品生産につながることでしょう。

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