食品工場の建設には多くのステークホルダーが関わります。これは社内と建設会社だけで完結するものではありません。そのため適切な対応ができるプロジェクト体制を社内および依頼業者共に組んでおくことが、プロジェクトを円滑に進めるためにも重要です。
本記事では食品工場建設におけるプロジェクトチームづくりの重要性と、チームに必要な役割について解説します。
食品工場建設プロジェクトは各ステークホルダーとの連携が不可欠
2021年6月より食品工場ではHACCP（危害分析重要管理点）に基づいた生産と管理が義務付けられました。このためHACCPに準拠した工場の建設が求められ、HACCP認証を取得するための認証コンサルタントとのやりとりや、営業許可に関する行政との調整などが必要です。
また食品工場では、製造する食品の種類や生産量に応じた機械や作業空間の設計が重要です。製造する食品とその必要な生産量に基づいて、適切な機械やレイアウトを決定します。そのため、生産設備に関わる業者との連携も欠かせません。
このように食品工場の建設には多くの考慮すべき点があり、さまざまなステークホルダーとの連携が不可欠です。HACCPに準拠し事業目的に適した工場を建設するためには、社内および依頼先の建設会社が必要な関係者を巻き込んだチームを結成し、プロジェクトをスムーズに進められる体制を整えることが非常に重要です。
食品工場建設プロジェクトに必要なチーム編成
食品工場建設プロジェクトをスムーズに推進するためには、関係者全員が役割を明確にし、協力して進めることが重要です。建設会社側に必要なプロジェクトチームと食品会社側で必要なチーム編成について解説します。
建設会社側に必要なチーム編成
建設会社側は以下の役割が揃ったチームを編成する必要があります。
- 営業担当
- 設計担当
- 積算担当
- 工事担当
- HACCPコーディネーター
食品工場建設プロジェクトでは、事前に建設予定地の周辺環境や既存の工場の食品生産工程を十分に把握することが重要です。この段階から営業、設計、工事における食品工場建設の各専門家がチームに加わることで、それぞれの視点から現状を確認し、適切な設計や建設中に発生し得る危険要因に早期に気付くことができます。
さらにチームにHACCPコーディネーターを含めることも重要です。HACCPコーディネーターは食品工場に関する専門知識を持ち、食品の製造工程で注意すべきポイントを理解しています。例えば食中毒を防ぐための作業空間の設計や、HACCPの運用がしやすい工場の設計について具体的な提案が可能です。
食品企業側に必要なチーム編成
食品企業側の社内プロジェクトチームでは、以下の役割が揃ったチーム編成が必要です。
- 経営者
- 設備責任者
- 営業責任者
- 総務・経理
- 製造責任者
プロジェクトチームの構成には、各役割の責任者が含まれていることが重要です。特に、最終的な決定権を持つメンバーがチームにいることで、プロジェクトの進行がスムーズになります。
また総務・経理担当者をチームに組み込むことが見落とされがちです。しかし工場建設は大規模で多額の費用がかかるプロジェクトです。総務や経理担当者がチームに加わることで資金の流れを適切に把握し、必要なタイミングでの資金供給を確保できます。
まとめ
食品工場の建設は多くのステークホルダーが関わる複雑なプロジェクトです。そのため適切なチーム編成と各ステークホルダーの協力体制を整えることが重要です。
またプロジェクトをスムーズに進めるためには、食品工場建設に関する専門知識を持った建設会社に依頼することも大切です。イニシャルコストだけでなく運用コスト、生産性にも大きな影響を与えるため、危険要因を事前に把握し、運用を見据えた設計・施工を行える依頼先を選ぶことが食品工場の建設プロジェクトを成功に導く大きなポイントとなります。
本記事でご紹介した適切なチーム編成と、各ステークホルダーの協力体制を揃えてプロジェクトを進めていくと良いでしょう。
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