ブランディング視点で建てる工場建設とは?澤村の施工事例を紹介
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一級建築士 / 一級建築施工管理技士
- 宮前 聡志
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工場は一般的に物を製造する場所として認識され、機能性や効率性が重要視される傾向があります。そのため、無機質なイメージや工場の3K(きつい、汚い、危険)といったイメージを持たれることがよくあります。
実際に工場の外観や内装は、企業のイメージや従業員のモチベーションに大きく関わっており、工場自体が持つマイナスイメージが、企業全体のイメージや人材獲得に影響を及ぼす可能性もあるのです。
本記事では、工場建設とブランディングの関係に焦点を当て、企業のイメージ向上や採用活動に役立つ工場建設のポイントについて解説します。さらに、澤村がブランディングを意識して行った施工事例も紹介します。
ブランディング視点で工場を建てる際に工夫すべきポイント
ブランドカラーやロゴの活用
工場の外装や建物の塗装には、企業のブランドカラーを使用することが重要です。これにより、ブランドの一貫性を保つことができます。
また、ロゴも企業のアイデンティティを象徴する重要な要素です。工場の入り口や建物の壁など、目立つ場所に企業のロゴを配置することで、ブランドの視認性を高めることができます。これにより、顧客や訪問者に対してブランドの存在感を印象づけることができます。
環境への取り組みを反映させる
工場の建設や設計において、環境への配慮を反映させることは非常に重要です。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用、廃棄物管理などの取り組みを工場に組み込むことで、企業の環境への取り組みを具体的に表現することができます。
また、再生可能資源やリサイクル可能な素材を工場の建築に積極的に採用することで、企業の持続可能性をアピールすることも可能です。
快適な休憩スペースの設置
休憩スペースは従業員のリフレッシュやコミュニケーションの場となります。快適で居心地の良いスペースを提供し、休憩時間を有意義に過ごせる環境を整えることが重要です。
安全基準の遵守
工場の設計と建設において、国際的な安全基準や規制を遵守することが重要です。安全への取り組みを明示することで、企業の信頼性を高めることができます。
これらの工夫を工場建築に取り入れることで、企業のアイデンティティや価値を視覚的に伝えることができます。
ブランディング視点で工場を立てるメリット
企業イメージの向上
工場は企業を代表する要素の一つです。通常、従業員以外の人々があまり目にする機会は少ない場所ですが、工場見学や打ち合わせなどを通じて顧客や求職者との接触が生まれることがあります。
魅力的な工場の外観や内装は、工場見学を受ける求職者に企業のブランド価値を示すだけでなく、顧客にも企業の安全性と信頼性をアピールすることができます。
競争力の強化
ブランドの独自性や特徴を工場の外観や内装に反映させることで、他社との差別化を図り、魅力的で信頼性のある工場として市場での存在感を高めることができます。
従業員のモチベーションの向上
工場の外観や内装は、従業員のモチベーションにも大きな影響を与えます。魅力的で快適な工場環境を提供することで、従業員の働きやすさや仕事への意欲を高めることができます。
これにより、従業員のパフォーマンスや生産性が向上し、企業の成果にも直結します。さらに、働く環境やモチベーションの向上は、人材の定着も期待できます。
社会的な信頼性の向上
環境への配慮や持続可能性への取り組みを工場に反映させることで、企業の社会的な信頼性を向上させることができます。環境に優しい素材の使用やエネルギー効率の高い設計、緑化など、持続可能性に配慮した工場は、地域社会や顧客、求職者に対してポジティブなイメージを与えます。
ブランディングに貢献した澤村の施工事例
日野精機株式会社 野洲工場
顧客の新規獲得時に社長による工場見学を実施していましたが、油まみれの薄暗い工場イメージが先行し、企業の技術力や信頼、実績が伝わりづらい状況でした。そこで、澤村はブランドのビジョンや理念を工場に反映させることで、従業員がやりがいを持って働く環境を作り、人材の獲得も期待できる工場を建設しました。
工場の外観には日野精機のコーポレートカラーであるブルーを取り入れ、洗練されたデザインを実現しました。さらに、階段の壁面や会議室のテレビボードなどには、日野精機の加工技術を活かしたオブジェを配置することで、工場内に「日野精機らしさ」を表現しました。また、従業員が快適に過ごせる環境を整えるため、綺麗な休憩室も設けました。
詳しくは、日野精機株式会社 野洲工場の工場建設実績ページをご覧ください。
カズテック株式会社 滋賀工場
新工場の建設に際して社内外に開かれた工場を構築しました。
広々とした動線とフラットな作業スペースを確保し、オフィスエリアにはガラス張りのミーティングルームやバルコニーを設けました。これにより、従業員や顧客が快適に過ごせる環境が整備され、働きがいのある社風や楽しく働ける雰囲気が醸し出される工場となりました。
詳しくは、カズテック株式会社 滋賀工場の工場建設実績ページをご覧ください。
まとめ
工場を建設する際には、工場内の機能性や設備の配慮はもちろん重要ですが、見落とされがちな外観や内装にも注意を払うことで、企業全体のイメージ向上や従業員のモチベーション向上、顧客や求職者へのアプローチにも繋がります。
ぜひ新たな工場を建設または改築する際には、ブランディングを意識して工場を建ててみてはいかがでしょうか。
- 執筆者
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一級建築士 / 一級建築施工管理技士
- 宮前 聡志
営業企画課課長。工場管理経験と設計業務を経験し、2018年にSAWAMURAに建設プロデューサーとして入社。現場・設計・営業を知るオールラウンダー。
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